なぜ動物医療現場ではストレスに感じる要因が多いのか
【コラム】動物医療現場でのストレスについて
動物病院での現場では、命にかかわる仕事内容なので、ミスが命にかかわることがあります。
それゆえ、常に緊張を強いられることになります。
さらに、他のスタッフの動きや業務の流れなどに気を配りながら、自らの仕事を行うことが求められます。
時間的に余裕を持つことができない場面が多いことも、ストレスをより大きなものにします。
■命を預かるという責任
■長時間、不規則な勤務体制
勤務形態によって差がありますが、他の職種に比べると動物医療現場で働く人の勤務時間は一般に長時間です。また、急患や時間外来院患者への対応などで、業務終了時間が不確定で、さらに勤務時間が延長されることも少なくありません。それにより、体調管理が難しい、進歩する知識や技術を勉強する時間が少ない、休暇の取りづらさ、趣味や家族との団らんに費やす時間が少ないといったストレス要因がうまれます。
ペットは家族の一員ととらえる方が多くなっている時代です。その心の距離感は、とても近いものとなっています。 ペットに対する愛情は大きく、最善の医療を受けさせたいと考える飼い主さんが多いです。
一方、医療技術の進歩により、様々な検査や治療法が確立されており、治療の選択肢が増える反面、医療費が高額化する傾向にもあります。飼い主さんの要望や経済状況、ライフスタイル、ペットの性格などを考慮しながら、飼い主さんに納得してもらえる治療を行うためには、高いコミュニケーションスキルが要求されます。飼い主さんの望むこととスタッフが「こうあってほしい」と望むこととの間にズレが生じる場面があり、その際に自身の感情のコントロールが必要になることも多々あります。このこともストレスの一因となります。
■多様な価値観をもつ飼い主さんへの対応
残念ながら、治療に力を尽くしても、亡くなることが少なくありません。治療に関わっていた動物が亡くなることで、スタッフが悲しみや無力感を 感じることは不自然なことではありません。
しかし、最愛のペットを失い、混乱し、悲しんでいる飼い主さんの気持ちを受け止めることが求められるので、自身の気持ちを表に出せる機会は、意識しないとなかなかありません。
飼い主さんの悲しみを受け止めること、自分の悲しみに対処すること、 どちらもストレスにつながります。
そして、人の医療ではない「安楽死」という選択肢があることも、動物医療現場特有の ストレス要因です。特に飼い主さんの意向と、自身の考えにズレを生じる場合、葛藤がおこります。
自身の「死生観」を持つこと、飼い主さんの価値観を受け止める姿勢を持つこと この2つができると、自身の感情のコントロールをする助けとなります。
■「死」と向き合う機会の多さ
つい自分の事は後回しになってしまいがちですが、 このような職場で生き生きと、そして安全に仕事をするには、ストレスに上手に対処し、セルフケアをすることがとても大切です。
HAACではそれぞれの方、職場にとってお役に立てるような、ストレス対処法・セルフケアのご提案ができればと考えておりますので、ご相談ください。
◇ご提案例
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ストレスにつながりにくい考え方
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職場の人間関係をよくするコミュニケーションスキル
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気持ちと体が楽になるセルフケア など
HAACとして…