開催報告
第2回意見交換会「ターミナル期~ペットロスにかけての飼い主さんへのサポート」
昨年に引き続き、HAACでは2月11日(木)に第2回目の意見交換会を開催しました。今回のテーマは「ターミナル期~ペットロスにかけての飼い主さんへのサポート」についてです。
会場には一般の飼い主さん、動物病院スタッフのほか、動物に関わるお仕事や活動をされている方、カウンセラーなど、約40名の皆さんがお集まりくださり、ともにこの問題について考え、様々な意見を交わす場となりました。
今回はパネラーとして、サムペットクリニック院長の渡邊忠先生、獣医師であるとともにグリーフケアアドバイザーとして活躍されている阿部美奈子先生、ペットシッター留守番わんにゃん取締役の山口照代氏、飼い主代表として野口摩弥子氏がご協力くださったほか、HAACの代表としてグリーフカウンセラーの稲本有香がパネラーを務めました。
家族と思うペットとの別れ、その痛みを少しでも和らげるためには、まわりの方々からの適切なサポートが必要です。よりよい介護の実現や、動物と飼い主さんの絆を断ち切らない治療を行うために、動物病院がどのように飼い主さんと関わるか、どのようなケースが重いペットロスになりやすいか、飼い主として体験談、実際に飼い主さんへのサポートとしてどのようなことが有効かなど、パネラーから提示された様々な鍵をきっかけに、グループディスカッションでは参加者の皆さんの間で活発な意見交換がされました。
今回HAACがテーマとしたことの一つは、いかにして飼い主さんをサポートするネットワークを築くかということです。 小さな試みではありましたが、真剣に議論を交わす会場の皆さんの様子に、この意見交換会での交わりが、新たにネットワークを広げるきっかけになればと、心から願わずにはいられませんでした。
ご協力くださったパネラーの皆様、参加者の皆様に、改めて心よりの感謝を申し上げます。ありがとうございました!
2010年2月11日(木)
自分にはまだ経験したことのないペットロスですが、様々なサポートにより乗り越えられるのであると感じました。 飼い主さんのサポート、私としてできることを今後考えてみる助け、ヒントとなりました。
去年10月に初めて迎えた子(犬、ラブラドール11歳)を亡くしました。 皆さんの力で看病でき、失った後も立ち直ることができました。 今回みなさんの話を伺い、当時を思い出したり、「安心」ということがどんなに大切か、獣医師と飼い主の信頼関係がどんなに大切か、再認識し、また自分もパイプ役のような仕事に関われたらと改めて感じました。
■参加者の声(掲載許可の方のみ)
私の職場では、ペットが病気のときは仕事中に病院へ行きます。かなり恵まれていると思います。そういうことが普通にできる社会になってほしいものです。人と人とのつながりを大切にし、動物病院では“病院”という病気を治すだけの場ではなく、「心」と「愛」を全て受け入れる、癒される場であることも今必要とされていると思います。コミュニケーション(接遇)がやはり一番大切だと思いました。また、ホリスティック的サポート、スピリチュアルな面でのサポート、心理学的なこと・・・多くのことが、人を支えることにつながると思いますし、それが癒しにつながっていくと思います。 パネリストの皆さんのお話、大変勉強になりました。
特に阿部先生のお話は目からウロコで、普段は飼い主目線で活動を行っているため、目先が変わり大変参考になりました。
「犬や猫にどうしてあげたらいいか」ばかりではなく、飼い主さんへのサポートについても今後考えていきたいと思います。
グリーフの定義を事前に明確化するべきではないでしょうか。 グリーフの捉え方により、グリーフから生み出されるものが違ってくると思います。
今、4歳になるヨークシャテリア(♀)がいます。飼うと決めたときから、その仔がいつか旅立つことを今から心配しています。今回のテーマはできれば目をそむけたい内容でしたが、いつかその日を迎えるための心の体力をつけたいと思い、参加しました。パネリストの先生方のお話を聞いているうちに、自分の中の不安や迷いが少し晴れたような気がします。「心のあり方」上手に表現できませんが、私の家に来て良かったと最期に思ってもらえる飼い主でありたいです。今の時間を大切に過ごしていきます!!
たくさんのヒントや勇気をいただきました。本当にありがとうございました。 問題が思った以上に大きく、やはり人間の問題だなと思いました。 それは・・・そうなんだろう。と感じることも多々あり、頭と感情を使えました。 楽しめました。 大変有意義で参考になりました。 テーマが絞られていたので、深いディスカッションができたと思います。 同じようなことを考え、同じような方向に向かわれている方が、こんなに大勢いらっしゃることに驚きました。 今回は本当に貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
野口さんのお話が印象的でした。 「ペットはそこにいるだけで恩返しをしている」ということを聞いたことがあります。 私は昨年9月に小鳥とネコを亡くしました。 ネコと一緒に闘病していると、とても濃密な時間を過ごすことができました。 だから、ネコが亡くなったとき、「悲しい」ではなく「寂しい」という野口さんの気持ちがとてもよくわかりました。
山口さんのお話も、これからペットケアのSOHOを開業したいと思っている私にはとてもためになりました。 阿部さんの活動がとても魅力的でした。 実際に体験されていらっしゃる方々のご意見は、大変ためになるものでした。
他人の意見を聞くことで、世界(視野)が広がった気がしました。 獣医師、ペットシッターさん、飼い主さん、グリーフケアアドバイザー、グリーフカウンセラーと多方向からのペットに対する気持ちや考えを聞くことで、様々な意見も出ます。 広い視野でみなければ・・・とあらためて思いました。
本日はただの飼い主として来ました。現在3匹のワンチャンがおりますが、その子達の今後を想うと悲しくなったり、嫌な夢をみたり、ここまで心配する自分はどこかおかしいのか?とその疑問が解消されるかもしれないと、今回参加することにしました。非常に勉強になり、また勇気づけられました。 自分たち、飼い主の想いをサポートしようとこんなに考えてくれる先生方や、スタッフの方々がいるのだと感動しました。反面、自分の身近にもすぐ手が届くところにこういった相談できる機関や人々がいるのだろうか・・・少し不安になりますが、自分が動いてぜひみつけてみたいと思います。
実際の飼い主だった野口氏のお話は、特に心をうたれました。野口氏のワンちゃんは、とても幸せな子だったと思います。ありがとうございました。初めての参加でしたが、参考になるお話をたくさん聴かせていただき、ありがとうございました。グループディスカッションではいろいろな方と意見交換ができて、大変有意義でした。様々な分野の方、視点を持った方や意見交換ができて有意義でした。
ディスカッッションの時間がもっと長かったらよかったです!
TSUBASA(鳥類保護施設)の活動にぜひ役立てていけたらと思います。 様々な立場の方からの話を聞かせていただき、とても参考になりました。
皆様の話で共通していたのは、飼い主様のお気持ちへの「共感」することの重要性だと感じています。 また、動物病院を経営する立場からは、人とペットのより良い関係作りのサポート(依存しすぎない)の必要性も強く感じました。 私はグループディスカッションという感じでお話をすることが苦手なので、内心ドキドキだったのですが、たくさんの人の色々な意見が聞けて、本当にいい機会になりました。 時間が足りないくらい!!
もっとみなさんのお話を聞きたかったので、ぜひまたこういう機会を作っていただけると嬉しいです。 病院で働く人間として、情報も今後提供していけたらと思いました。 それぞれのお話がとても興味深く、集中して聴くことができた。 避けては通れないテーマであるため、勉強になった。 ただ、概念的な内容が多く、もう少し詳しく話していただきたいこともあり、多少不全感が残る。 パネリストの人数、時間配分を検討していただけるとありがたい。
期待していたパネルディスカッションは、質疑応答のような形になっていたので、残念。 違う立場の方々の議論を是非聴いてみたいので、次回はその点について考えていただきたい。 テーマがテーマだけに仕方がないと思うが、初めの空気が重く気後れしてしまった。 自分がペットを亡くした立場になって、共感できたこと、勉強できたことがものすごくたくさんありました。 これから、また病院で働くにあたって、自分にできること、しなければいけないことをたくさん学ぶことができました。 色々な立場からお話を聞くことができて、本当によかったです。 またこのような機会があれば、参加させていただきたいと思います。 本当にありがとうございました。